車に轢かれそうになっている子猫を見つけた僕は、とっさに道路に飛び出した。
危ないところだった。
間一髪で子猫は無事だった。
しかし僕の体は無事ではなかったらしい。見事に車に突き飛ばされた僕は、頭を強く打った。野次馬などが集まってきて、次第に辺りが騒々しくなっていくの感じながら、僕はそのまま意識を失った。
***
気が付くと、僕はどこかの病院のベットに寝かされていた。
なぜか全裸だった。おまけに両手両足を固く縛りつけられているために、身動きができない。
自分の状況を把握できない僕はパニック状態に陥り、無我夢中で体を動かすものの、まったく体の自由が利かない状態。僕は何とも恥ずかしい姿のまま、涙を流すしかなかった。
しばらくすると、一匹の猫が現れた。そう、僕が救った子猫。
子猫は「ニャー」と一声鳴くと、僕の手足を縛っている紐を噛み切り、僕の体に自由を取り戻してくれた。
助かった。これで何とか体は自由になった。頭がまだ少し痛むが、手足は何とか動きそうだ。それにしても、なぜ手足を縛られていたのか。そして、なぜ全裸だったのか。頭の中の整理がつかない。全く理解できないことばかりだ。そもそも自分の身に何が起こっているのかが分からない。分かっていることは、僕は車に轢かれそうになっている子猫を助け、代わりに僕が車に轢かれた。ただそれだけ。
それでもこれ以上ここいるのは危険だと思った。体中のすべての感覚が、自分の身の危険を感じていた。一刻も早くこの場から離れなくてはならない。
僕は何とか病院を抜け出し、無我夢中で走りだした。誰にも気付かれていないはずだし、追って来る気配も無い。それでも息が切れるまで、全力で走った。全裸のまま走った。逮捕された。
―――
という夢を見ました。(見てません)
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